
自動車購入の手続きは、意外と分かりづらい部分も多く印鑑も例外ではありません。印鑑は種類によって使う場面が異なりますが、車を買う際には場面に応じて印鑑を使い分ける必要があるのです。では、どの場面にどの印鑑を使用すればよいのでしょうか。
新車でも中古車でも印鑑は必要になるので、予め用意しておきたい所です。
印鑑証明書を用意する
自動車を購入する際だけでなく、廃車など様々な手続きにおいて必要になるのが印鑑証明書です。利便性の高いシャチハタでは代用できないものなので、印鑑証明書を発行できるよう手続きを済ませておく必要があります。印鑑証明書を発行するには、まず各市町村役場で印鑑の申請を行います。
登録する印鑑として使える印鑑にはいくつかの条件がありますが、オーダーメイドで作成した印鑑なら大抵は問題ありません。いわゆる銀行印とは異なるので、混同してしまわないように注意しましょう。そして印鑑証明書とは、この役場で済ませた手続きを証明する書類になります。
印鑑を通して個人を証明するものであり、不動産や車のようなまとまった金額を動かす必要のある手続きにおいて求められるケースが多々あります。印鑑登録については、即時完了することもあれば数日かかることもあります。
運転免許証などの身分証明証を持って印鑑登録に赴けば即日で発行してもらえるので、急いで発行する必要がありなおかつ印鑑登録を済ませていない方はこの方法で印鑑登録を完了させるとよいでしょう。
普通自動車と軽自動車
先ほど説明した印鑑証明書ですが、実は普通自動車と軽自動車で必要か否かが異なります。普通自動車の場合は印鑑証明書や実印が必要になりますが、軽自動車の場合は必要ありません。そのため、軽自動車を新車で購入する場合などは特に印鑑証明書について気にしなくても問題ないでしょう。
ただし、印鑑登録を済ませておけば便利であることに違いはないので、まだ済ませていない方はこの機会に済ませておくと後々役立つ可能性があります。
また、普通自動車でも実印を必要としないケースがあります。例えば、マイカーローンなどを利用して自動車を購入する場合、所有者は自分以外ということになります。あまり気にしたことはないかもしれませんが、ローンで購入した車はローン会社が所有者となっていることも多く、本当の意味で自分が所有しているとは言えない場合も多いのです。
もちろん現金で一括購入すれば名実ともに自分の所有物となります。ローン会社が所有者となる場合は、支払い終える段階で印鑑証明書が必要になります。とはいえ、ローンを全額支払い終えるにはかなりの年月が必要になるため、しばらくは気にしなくても問題はない可能性が高いことも事実です。
⇒車によって必要な印鑑の種類が違います!購入前にぜひ読んで下さい
軽自動車でも印鑑証明書が必要なケース
軽自動車の購入時には印鑑証明書が必要ないことは前述の通りですが、例外的な手続きでは軽自動車でも実印や印鑑証明書が必要になることもあります。一番考えられるケースは未成年者が車を購入する場合でしょう。購入するディーラーにもよりますが、個人の信用性を高めるために必ずしも実印が必要ないとは限りません。
求められれば素直に印鑑証明書を提出して、注文した自動車を購入しましょう。また、この場合印鑑証明書が求められるのは本人だけとは限りません。連帯保証人も対象になることが多く、揃って印鑑証明書を用意できる状態にしておくと便利です。
同じ自動車なのに軽自動車では実印が必要のない理由は書類を提出する先が異なるためです。普通自動車は国土交通省へ提出し登録する必要がありますが、軽自動車が届け出るのは軽自動車検査協会という機関です。届け出る機関が異なれば必要になる書類も異なるので、結果的に軽自動車では必要にならないのです。
普段自動車に乗っていてあまり意識することではないかもしれませんが、軽自動車を購入するなら覚えておいて損はありません。
印鑑証明書以外に必要な書類
当然ですが、印鑑証明書だけ提出すれば自動車購入手続きが完了するわけではありません。その他いくつかの書類が必要になるので、合わせて用意しておきましょう。例えば、住民票は自動車の購入時に提出する必要があります。
有効期限も定められており、3ヶ月以内に発行したものである必要があるため、それ以上前に発行したものは使えません。また、認め印を用意する場合もシャチハタ以外の印鑑を用意する必要があります。シャチハタは簡略化された手続き以外では使えないことも多いので、通常の印鑑をいくつか準備しておきましょう。
その他の書類に関しては、基本的にはディーラーや販売店が用意してくれます。代表的な書類が、車の各種情報を登録するために必要な委任状です。委任状は自分で用意することもできますが、あえてディーラーが用意したものを使わない理由はありません。
用意されている項目に合わせて必要な情報を記入していきましょう。あとは、車庫証明申請証紙など車を保管する手続きを済ませるための書類も作成します。保管場所は地図にして書き込むため、頭の中で地図を描いておくと役立ちます。
自動車の売却と実印
基本的には、売却と購入における実印の扱いは同じです。普通自動車の売買では必要になりますし、軽自動車においては必要ありません。先ほど紹介した一部例外はありますが、原則この条件で考えて問題ないでしょう。実印以外では、戸籍謄本や住民票も必要になります。
印鑑登録証明書を合わせて発行してもらえば手間もかからないので、市役所に足を運んだ際に一緒に発行してもらいましょう。どの書類も即日発行可能なものばかりなので、発行にかかる時間も大したことはありません。
⇒良質な印鑑を購入するポイントと犯罪被害に遭わないための注意点
書類の準備に時間はかからない
新車を購入するにしても中古車を購入するにしても、必要となる書類を準備するのにそれほど時間はかかりません。印鑑証明書に住民票など、即日発行できるものばかりです。自動車の購入手続きは面倒なイメージがあるかもしれませんが、実は用意するべき書類はそれほど多くありませんし、時間もさほど取られないのです。
仮に急いで自動車を購入しなければならないにしても、書類作成に時間を割くよりはじっくりと自動車を選ぶ時間に割いた方が賢明でしょう。焦って自動車を購入しては、新車であっても何となくイメージの違う自動車を購入しかねませんし、車という大きな買い物で失敗しかねません。